※本記事は 18歳以上(高校生不可) の方向けの情報です。チャットレディの収入には個人差があります。税務・法律情報は一般情報であり、最終判断は税理士・税務署等の専門家にご確認ください。
チャットレディとして事業を始めた年や、設備投資が多かった年には、事業所得が赤字になることがあります。そのとき活用できるのが「損益通算」という制度です。赤字を他の所得と相殺することで、全体の税負担を軽減できます。本記事では損益通算の仕組みと、チャットレディが実際に活用する方法を解説します。
損益通算とはどんな仕組みか基本を理解する
損益通算とは、複数の所得がある場合に、一方の所得の赤字(損失)をもう一方の所得の黒字と合算して、課税対象となる所得合計を減らす仕組みです。課税所得が減れば、それに対応する所得税・住民税も減少します。
日本の所得税法では、所得を10種類に分類しています(給与所得・事業所得・不動産所得・利子所得・配当所得・一時所得・雑所得・退職所得・山林所得・譲渡所得)。損益通算は、これらの所得の間で行える場合と行えない場合があります。
原則として損益通算できる組み合わせは、「不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得」の間です(一般にこれを「不事山譲(ふじさんじょう)」と覚えます)。給与所得との通算も、これらの損失については認められています。
たとえばチャットレディとして事業所得が年間マイナス50万円の場合、その50万円をパート収入などの給与所得から差し引くことができ、結果的に課税所得が50万円分減少します。
チャットレディの事業所得が赤字になる場合
チャットレディの事業所得が赤字になるのは、主に以下のような場合です。事業開始初年度に配信機材や設備に大きく投資した年・売上が思うように伸びなかった年・身だしなみや衣装などの経費が多かった年などです。
事業所得は「売上(収入)-必要経費」で計算します。売上よりも経費の合計が上回れば、事業所得は赤字(マイナス)となります。ただし、損益通算が認められるためには、その事業活動が「継続的・反復的・営利目的」であることが前提です。趣味の延長や一時的な活動とみなされると、事業所得として認められず、損益通算もできなくなります。
税務上、事業所得として認められるためには、日々の帳簿記録と事業実態(業務委託契約・プラットフォームへの登録など)が必要です。単発の収入や実態が伴わない申告は、税務調査で否認される可能性があります。
経費を過大に計上して意図的に赤字を作り出す「節税スキーム」は、税務調査でリスクが高い行為です。適切な経費を正確に計上した上で、自然に生じた赤字について損益通算を活用しましょう。
他の所得との通算で税額が減る仕組み
損益通算の効果をシンプルな例で説明します。たとえば、配偶者の扶養内でパート勤務もしているチャットレディが、事業所得マイナス40万円・給与所得60万円だった場合を考えます。
損益通算を行うと「60万円(給与所得)+(-40万円)(事業所得)=20万円(合計所得)」となります。基礎控除(48万円)を適用すると課税所得はゼロとなり、所得税は発生しません。損益通算がなければ、給与所得60万円に対して基礎控除を引いた12万円が課税対象となります。
税率が10%だった場合、損益通算によって12,000円の所得税節税になる計算です。住民税(均等割を除く所得割)も同様に軽減されます。
専業でチャットレディを行っていて他の所得がない場合は、その年の損益通算の相手となる所得がないため、当年度での税額軽減効果はありません。ただし、青色申告をしている場合は「純損失の繰越控除」(後述)が使えます。
損益通算できない所得の種類と例外
すべての所得が損益通算の対象になるわけではありません。損益通算が認められない所得・損失には以下のものがあります。
雑所得の赤字は他の所得と通算できません。副業で行っている活動が事業所得ではなく雑所得と判断された場合、その赤字は損益通算に使えません。チャットレディとしての活動が事業所得か雑所得かは、活動の規模・継続性・実態によって判断されます。
生命保険の解約返戻金・競馬の払戻金などの一時所得の赤字も損益通算できません。また、上場株式の譲渡損失は、申告分離課税を選択した配当所得とのみ通算できます(他の所得との通算は不可)。
不動産所得の赤字は事業所得と通算できますが、「土地取得のための借入金利子」部分の赤字は損益通算の対象外です。不動産投資を行っているチャットレディが損益通算を検討する際は、この例外に注意が必要です。
損益通算の可否については、所得の種類の判定が重要です。自分の所得がどの種類に該当するか不明な場合は、税理士に相談して確認しましょう。
青色申告の純損失繰越との組み合わせ方
青色申告をしているチャットレディは、損益通算後もなお残った損失(純損失)を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。これを「純損失の繰越控除」といいます。
たとえば事業初年度に60万円の純損失が生じた場合、翌年以降の所得からそれを差し引けます。翌年(2年目)に事業所得が100万円になった場合、前年からの繰越損失60万円を差し引いて課税所得は40万円となり、大幅な節税が可能です。
繰越控除を受けるには、損失が生じた年に青色申告を行い、翌年以降も継続して確定申告することが条件です。申告を一度でも怠ると、その年以降の繰越権利が失われます。
また、損失が生じた年の前年も青色申告をしていた場合は「純損失の繰戻し還付」を使って前年納付した所得税の還付を受ける方法もあります。初年度に多額の投資をした場合などに有効な手段です。
白色申告の場合は純損失の繰越控除は使えません(変動所得・被災事業用資産の損失は除く)。節税効果を最大化するためには、青色申告の承認申請を早めに行っておくことをおすすめします。
まとめ
損益通算は、事業所得が赤字になった年に他の所得と合算することで税負担を軽減できる制度です。青色申告の純損失繰越と組み合わせれば、翌年以降にも節税効果を継続させることができます。帳簿の記録と青色申告の活用を早めに始めましょう。
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※本記事は一般的な情報提供であり、特定の収入を保証するものではありません。18歳以上(高校生不可)対象。

